「はい、じゃあ撮るよ!」 私はケータイを取り出して、内カメラにして構える。 「はい、チーズ!」 カシャ――― 「撮れた!………って、一宮くんもうちょっと笑ってよ~」 撮った写メを確認すると、一宮くんは真顔だった。 「僕、写真ニガテなんです」 「頑張って笑って!ね?」 「……わかりました」 そして改めて私はケータイを持って構える。 「撮るよ~!はい、チーズ!………きゃっ!?」 カシャ――― シャッター音が鳴る直前、一宮くんは私の頬にキスをした。