キーンコーン―――
「はい、じゃあ気を付けて帰れよー。また月曜日に会おう!解散!」
………ついに来てしまった。
恐怖の放課後が。
今まで、何回こんな風に思ったんだろう。
一宮くんと秘密の場所を共有してから、ほとんど毎日思ってた気がする。
担任の言葉で思い出したけど今日、金曜日なんだ……。
「白雪さん、さっさと帰る用意してください。まったく、いつになったらそのノロマさは改善されるんですか」
呆れた様子で私を見る一宮くん。
教室で“ノロマ”って言われるの、初めてな気がする。
今まで教室ではあんまり会話しなかったもんね。
でも、もう普通に会話してもいいんだ。
なんだか嬉しくて少しにやけそうになる。
「………白雪さん、なににやけてるんですか。不気味です」
「え!?に、にやけてた!?」
「はい、気持ち悪いぐらいににやけてました」
はぁ……最悪だ。