「一宮くんも、家こっち方面なの?」
意外と一宮くんと行く道が一緒だからビックリした。
「はい」
もしかして、近所に住んでたりして?
でも登校するときとか今まで帰るときも見かけたことない気が……気のせい、かな?
「結構、家近かったりしてね」
「そう、ですね」
一宮くんは全くこっちを見ずに淡々とした口調で答えた。
「私の家、ここです!」
学校を出て30分。
私の家に着いた。
「へぇ~……じゃあ、また明日」
「ばいばい!」
一宮くんにブンブン手を振って家の中に入った。
一宮くんの家、私の家よりもっと向こうなのか。
なるほど……。
今日は一宮くんと距離が縮まった気がする。
まさかあんなに俺様でイジワルだとは思わなかったけど……でも、そんな一宮くんと過ごした時間が、すごく楽しかったって思えるんだ。