【完】キミとふたり、秘密の場所で。







それから柴崎くんは毎休み時間、一宮くんのところへ行って話しかけていた。
一宮くんもそれとなく、心を開いている様子だった。




―――昼休み。





「桃乃ちゃん、俺今日から透ちゃんと弁当食べるわ」




柴崎くんが私の席に来てそう言った。




一宮くんと柴崎くん、仲良くなれたらいいな。




「うん、わかった!」




「ごめんな!2人のとこにお邪魔しちゃって」




「ううん、楽しかったよ……あ、一宮くん教室出て行こうとしてるよ」




一宮くんがお弁当を持って教室を出ようとしているところを指さした。




「あ!ほんとだ!じゃあな!」




慌てて柴崎くんは一宮くんを追いかけていった。




「透ちゃーん!一緒に弁当食べようぜ!」




そんな柴崎くんの声が教室に響いた。