「だからさ、友達になろうぜ!」
「………あの、冗談はやめてください。そんなくだらない冗談に付き合ってるヒマはないんです」
「一宮って結構毒舌なんだ!俺、キライじゃないよ!友達になろう!ってか、もう友達ってことでよろしく~!」
柴崎くんが強引に一宮くんと手を繋いで、上にあげた。
「あの、やめてください」
「一宮透也だっけ?じゃあ、透也……透ちゃん……!透ちゃんって呼ぶわ!」
「はい?」
「俺のことは蒼って呼んでくれたらいいからね!透ちゃん!」
一宮くんはイヤがりながらも満更でもなさそうだ。
「よかったね、一宮くん」
一宮くんに友達ができるって、私も嬉しいもん。
「白雪さんまでやめてくださいよ」
「透ちゃんって、父ちゃんみたいだな~!」
「………はぁ。勝手にしてください」
一宮くんは大きくため息をついた。



