【完】キミとふたり、秘密の場所で。








キーンコーン―――



1時間目が終わり、休み時間になった。




すると、私の席に柴崎くんがやってきた。




「桃乃ちゃん、本当におめでとう!」




「柴崎くん………」




「桃乃ちゃんが幸せなら俺も幸せ!」




「ありがとう、柴崎くん」




柴崎くんは笑顔だけど、少し寂しそうに見えた。
でも、これは柴崎くんなりの優しさなんだ。




「てかてか!一宮!」




柴崎くんが興奮気味に読書中の一宮くんの肩をバシバシ叩く。





「………あの、痛いんですが」




少し迷惑そうな表情で振り向く。




「ごめんごめん!一宮、カッコよすぎだろ!俺、一宮みたいな男になりたい!」




「はい?」




し、柴崎くん、なに言ってるの?