「一宮くんのこと、なんにも知らないくせに……平気でそういうこと言わないで……っ!」
少なくとも、みんなよりは一宮くんのことを知ってる自信はある。
「私のことはなんとでも言っていいから……だから……一宮くんのことは悪く言わないで……」
気が付くと、私の目には涙が伝っていた。
「白雪さん、もういいですよ」
「一宮くん………」
一宮くんが後ろを向いて私の涙をぬぐった。
クラスメイトたちがヒソヒソ話し始める。
「もしかしてあの2人………」
「え?どういう関係なの!?」
そんな声が聞こえてくる。
「静かにしてください」
一宮くんが言うと、クラスが静まった。



