私たちが付き合ってるなんてきっと、未唯ちゃんと柴崎くんぐらいしか知らないと思う。
だからそんな風に平気で言えるのかもしれない。
でも……私が可哀想?
私、むしろ一宮くんと一緒にいられて幸せだよ?
「白雪さんって優しいから、地味な一宮くんと話してあげてるのかもね~」
「そうだな、アイツなんてほっときゃいいのに」
その2人の会話に私は怒らずにはいられなかった。
バンッ―――
私は机をたたいて立ち上がった。
「し、白雪?どうしたんだ、急に」
連絡事項を話していた担任が目を丸くして私を見る。
「………一宮くんは地味なんかじゃないよ」
一宮くんは地味なんかじゃない。
本当の自分を見せてないだけ。
「一宮くんは誰よりもカッコよくて、優しいんだからっ!!」
私が叫ぶと、クラス中が固まった。



