「バカ?どう考えても白雪さんの方がバカですよね?僕のことバカなんて言っていいんですか?その口、縫いますよ?僕、裁縫意外と得意なんですよ?」
一宮くんの超早口で言った言葉に圧倒される。
「あ、え、ご、ごめんなさい……」
ダメだ。
一宮くんに勝てない……。
「わかればいいんです。バカは白雪さんだけで十分です」
「は、はい」
「はぁーあ、今日はもう白雪さんのせいで読書する気分じゃなくなりました」
メガネをかけ本をカバンにしまって、立ち上がった。
「え?帰るの?」
まだ1時間も経ってないのに!?
「はい、さようなら」
立ち去っていく一宮くんに置いていかれないように、カバンを持ってあとを追いかけた。
「ま、待って!」



