………が。
唇になんの感触もない。
ま、まさかまたからかわれた!?と、目を開いたと同時に、
「そんな可愛い表情、他の男に見せるの禁止だって言ってんだよ」
すぐ耳元で、一宮くんのそんな声が聞こえた。
「あ、え、い、一宮く………っ」
恥ずかしくてなんて返事をしたらいいのかわからない。
一宮くんの囁いた甘い言葉に、とろけてしまいそうになった。
「あー、もう限界です。そんな可愛い表情をする、白雪さんのせいですからね」
「へ……っ!?んぅ……っ」
今まで見たことないぐらい、真っ赤な一宮くんは私にまたキスをした。
何度も角度を変えてキスをする。
「い、一宮く……っ」
少し息切れしながら、一宮くんを軽くたたく。
もう……一宮くんのバカ………。
「なんですか?まだ足りないですか?」
「………ち、違うもんっ」
私が否定すると、一宮くんは私の頭の上に手を置いた。



