「一宮くん………っ!」
一宮くんは私に気づいて、本を閉じる。
私は一宮くんに近づく。
「………なんですか。読書の邪魔しにきたんですか?それなら今すぐ帰って……」
「ごめんね!!!」
大きく頭を下げた。
「は……?」
「私……やっぱり無理だったよ……。一宮くんにいくら冷たくされても……いくら自分に一宮くんと私はただのクラスメイトだって言い聞かせても……無理だった」
頑張れ私……自分の気持ちを素直に伝えるんだ……。
「好きなの……っ……一宮くんがどうしようもないぐらい、好きなの………っ」
たったそれだけの言葉だったけど……一宮くんに届けばそれでいい………。
一宮くんがどう思っているとしても、私はもう我慢できないから……。



