「はぁ……っ、はぁ……っ」 今までにないくらい、全力疾走した。 もう止められないこの想いを……一宮くんに伝えたい。 たとえ一宮くんにうざいって言われても絶対にこの気持ちだけでも言いたいんだ……。 あの階段のところには前のように一宮くんはいなかった。 どこにいるの……? 屋上……かな? 私は思い切って屋上の扉に手をかける。 ガチャ――― 開いた……。 「あ……」 屋上の地面に座って読書をする一宮くんがいた。 私は大きく深呼吸をして、口を開いた。