「わざわざ反対方向の家まで送ってあげてた相手を、そう簡単にキライになる?私はならないと思うよ?」
「未唯ちゃん……でも未唯ちゃんは一宮くんを……」
「そんなの、桃乃に自分の気持ちを改めて実感してもらうように言っただけ。私は一宮を好きなんかじゃないよ」
未唯ちゃんの言葉を聞いて、ものすごくホッとしている自分がいることに気が付いた。
「未唯ちゃん……私……っ」
私はやっぱり………っ
一宮くんが好きなんだ。
この気持ちはもう溢れて止まらない。
一宮くんを諦めるなんて私にはできないんだ……。
「ほら、一宮のとこ行ってきな?アイツなら屋上の方に行くの見たよ」
「………っうん!」
私は大きく頷いて、教室を飛び出した。



