だとしたら一宮くんは………毎日私を送るために、私の家と同じ方面に住んでたフリをしてたってこと……だよね?
「ウソ………」
今更気付いてしまった。
一宮くんはやっぱり……優しい人だった。
私ってばなにも気付いてなかった……。
「桃乃、やっと気づいた?」
「え………?」
未唯ちゃんの言葉に首を傾げる。
「このキャンディ、前に桃乃が一宮にもらったって言ってたキャンディじゃない?」
「……っ」
「桃乃、一宮の家の近所のスーパーにしかこのキャンディ売ってないんだって言ってたよね?でもこのスーパーは駅前方面……だよね」
「未唯ちゃん、気付いてたの……?」
「今、柴崎くんが偶然このキャンディ持ってきてくれたから確信した。この間駅前で一宮見かけたときと、柴崎くんと桃乃が一緒に帰ったとき駅前で見かけたって言ってたから、薄らそうじゃないかって思ってたけど」
未唯ちゃん、やっぱり鋭い……。



