【完】キミとふたり、秘密の場所で。







「白雪さん、新しい恋でも探したらどうですか?」




「………え?」




新しい……恋?




「たとえば……そうですね。僕、とか?」




一宮くんは本を閉じて、私を見てにやっと笑った。





「な、ななななな、なに言ってるの……?」





すると一宮くんは私に覆いかぶさって、私の顔の横に両手をついた。




「あ、あの……一宮、くん……?」




ど、どうなってるの!?



すると、彼はメガネを外した。




「………っ!?」



うそ……。
一宮くん……なの?



一宮くんの顔を見たのは初めてだ。
でも……こんなにかっこいいなんて思わなかったよ………。



私の胸の鼓動は速さを増す。




「いいですよ、僕を好きになっても」




人差し指で私の唇に触れた。




こ、これ、本当に一宮くん……!?