「桃乃って……もう、一宮のこと、好きじゃないんだよね?」
「え……っ?」
一宮くんの名前が出てきて、少しドキッとする。
「えっと……うん!もう一宮くんは好きでもなんでもないよっ!あれはもう過去のことだし」
私はあはは、と笑いながら答える。
未唯ちゃんが一宮くんの名前出してくるなんて……どうしたんだろう?
私の答えを聞いた瞬間、未唯ちゃんの表情は一気に明るくなった。
「……よかった!」
「え?」
よ、よかった?
その言葉を聞いて、私はもしかして……と思った。
「実は……さ。私、一宮を好きになっちゃったの……」
「っ!」
未唯ちゃん……一宮くんが好きなんだ……。



