「もう、一宮くんのことは諦める……」




それしかもう選択肢はないんだ。




「桃乃ちゃん………」




「ご、ごめん!こんな暗い話しちゃって!」




「ううん、俺が聞いたから……」




少し、スッキリした気がする。
一宮くんのこともう諦めようって決めたんだもん。




少しの間は忘れられないかもしれないけど……でも……。




ゆっくり、少しずつ、忘れたらいいんだよね。




「あ、そーだ!柴崎くん、今からコンビニに行ってあの美味しいチョコ買おうよ!」




「あ、うん!そうだなっ」




私は柴崎くんに笑顔を見せて、腕を引いた。




「ちょ、桃乃ちゃん!」




「はやくはやく~!」




さよなら、私の恋。




さよなら、一宮くん。