俯いて、泣きそうになっていると誰かに肩を叩かれた。
「桃乃ちゃん」
「柴崎くん……」
「一緒に帰ろ?」
泣きそうになっているのがバレたのか、柴崎くんは優しくポンッと私の頭に手を置いた。
私はコクンとうなずく。
そして、柴崎くんと帰ることになった。
「それでさ~その芸人が面白くてさ!今日授業中に思い出し笑いしちゃったんだよなー」
帰り道、柴崎くんは暗い雰囲気を醸し出す私にテンション高く話す。
「そうなんだ……」
はぁあ、どうしよう。
私……いくら頑張ってもテンション上がらない。
柴崎くんが頑張って喋ってくれてるのに最低だな……。
「あのさ、桃乃ちゃん」
すると、柴崎くんが少し遠慮がちに私を呼んだ。



