【完】キミとふたり、秘密の場所で。






「………よし」




私は気合いを入れてから、いつもの階段に向かった。




一宮くん、きっと今日も読書してるよね……。




そう信じて、階段をのぼっていく。




もうすぐだ………!




「………っ」




私は一気にあの階段へとのぼった。





………が。




「え……っ」




一宮くんはいなかった。




なんで……?




「一宮くん………」




も、もしかしたら……今日は用事があって来てないだけなのかも。
そうだよね、きっと!
また明日……来たらいいよね。




私は自分にそう言い聞かせて心を落ち着かせた。