「………で?さっきなにがあったの?詳しく教えて」
「うん……あのね……っ」
私はゆっくり金曜日、柴崎くんに抱きしめられたところを見られたことと、さっき一宮くんに言われたことを話した。
「へぇ~……なるほど、ね」
「一宮くんの気持ちがわかんないよ……」
そしてため息をつく私に未唯ちゃんが腕を組んで言った。
「アイツ、なに考えてるのかほんとわかんないよね」
「うん……」
一宮くんはいつも私の気持ちを簡単に見透かしてしまうのに、自分の気持ちは絶対に見抜かれないようにガードをしているんだ。
「………一宮、素直になればいいのに」
ポツリと未唯ちゃんがつぶやく。
「え?」
「ううん、なんでもない」
私が聞き返すと未唯ちゃんははぐらかしてしまった。



