「あ、桃乃おかえ……って、どうしたの!?」
1人で次の授業の準備をしていた未唯ちゃんが私の顔を見て驚く。
「ううん、なんでもないよ」
「でも、顔真っ赤だし目少し腫れてるし……っ」
心配そうに私の顔を見る。
「それより、ね。私、気付いたんだ」
「え……?」
「自分の気持ちに……私、一宮くんが好きなんだって………」
「………」
「でも……もう、今までみたいには話さないでただのクラスメイトに戻ろうって言われて……っ」
またさっきの悲しさが込み上げてきて、涙がこぼれる。
「よしよし。桃乃……ちょっと、場所変えようか」
未唯ちゃんは私の背中をさすりながら、校舎裏へ向かった。



