「……一宮、ほんと怖いわ……。びっくりした……」
未唯ちゃんがチラッと一宮くんを見ながら言った。
「そうだね……なんか不思議だよね、一宮くん」
一宮くんは世にいう真面目くんで、無口なメガネ男子。
暇さえあれば勉強と読書っていうイメージだ。
「アイツ、勉強しか頭になさそう……こわ……っ!」
「あはは……未唯ちゃんすごい顔になってるよ」
一宮くんとは1度も話したことがない。
てか、話せる雰囲気じゃない。
やっぱり私も雰囲気的に怖いなぁってちょっと思うもん……。
キーンコーン―――
「あ、桃乃、またあとでねー!」
「うん!」
この授業終われば昼休み……お弁当だー!