「白雪さん、柴崎蒼に抱きしめられてましたね。全然イヤそうでもなくて、抵抗もしてませんでしたし。むしろ嬉しかったんじゃないですか?」
「あ、あの、それは……っ!」
私は焦って柴崎くんに抱きしめられて抵抗しなかったのは、ビックリしただけだって伝えようと口を開く。
嬉しいなんて………なにを根拠にそんなこと……。
「いいんですよ、別に。白雪さんが誰と抱き合おうと僕には関係のないことですからね」
でも、遮られた。
一宮くんのその言葉で私の胸がきゅううって痛くなる。
まるで、胸にガラスの破片でも刺さったみたいに。
「あのね、一宮くん。あれはね……っ!」
「もう、終わりにしましょう」
一宮くんが立ち上がる。
「へ……?」
どういう、こと……?
「もう、これからは放課後にここに来なくていいです。僕の読書に付き合う必要もありません」
「え……っ?」
「ただのクラスメートに戻りましょう。それが、白雪さんが1番幸せになれると思います」
私の頭の中は真っ白になった。



