「ほ、ほんとになにもなかったって!」
柴崎くんが必死で否定する。
「ふぅ~ん?まぁ、そういうことにしといてあげる」
未唯ちゃん……怖いですよ。
未唯ちゃんってほんと、勘が鋭いなぁ……てか、鋭すぎ!
キーンコーン―――
「じゃ、俺は席に戻るからっ」
「わ、私も!」
私と柴崎くんは逃げるように自分の席に戻った。
「ふぅ………」
私の前の席では一宮くんは変わらず、黙々と読書をしていた。
はやく、昼休みにならないかな。
まだ朝のHRも始まってないのにそんなことを思う。
一宮くんと話したい。
………純粋にそう思っている自分がいた。



