「ただいまー」
家に入り、自分の部屋のベッドにダイブする。
「はぁ………」
なんでこんなに焦ってるの?
自分の気持ちがわかんないよ。
はやく一宮くんに会いたい。
そして柴崎くんにはただ抱きしめられただけで、抵抗しなかったんじゃなくてビックリしてなにもできなかっただけ、好きとかそんなんじゃないって伝えたい。
そう思う自分がいる。
一宮くんは私にとっては王様みたいな存在で、なにしても勝てないしイジワルされてばっかりだし……。
「ああ―――っ!」
もう、自分の気持ちが全然わかんない。
なんなの、この気持ち。
一宮くんのメアドも電話番号も知らない。
所詮そんな関係だ。
そう思うとすごく悲しい気持ちになるんだ。
「一宮くん………」
気が付けば、私の頭の中は一宮くんでいっぱいになっていた。
私は一宮くんのこと、本当はどう思ってるの………?



