【完】キミとふたり、秘密の場所で。







でもよかった、新しい彼女出来たみたいで。
これでもう、歩が私に関わってくることもないよね。




神藤さんと歩が仲良くしている様子を見て、ホッとする。




あ、こうしている場合じゃない!
早く行かなきゃ。



柴崎くんも待たせてるんだし。




早歩きで階段に向かった。




一宮くんはいつものように階段に座って、本を読んでいた。




「一宮くん!」




「……白雪さん。今日は来ないって言ってたんじゃ……」




「いや、あのね!」




私は写真をカバンから取り出す。




「はい、これ。この間の夕焼け……キレイに撮れたから印刷してみたんだ!一宮くんにもあげようと思って………」




「ありがとうございます」




一宮くんは本を一旦閉じて、私から写真を受け取った。