「僕のことなら珍しくないでしょう?慣れておいた方がいいですよ」
「う、うん」
そうだ、慣れるしかないんだ。
きっとこの胸がモヤモヤするのは、ビックリしただけなんだ。
なにも、気にすることはない。
―――――――
――――
――
「じゃ、また明日ね」
「はい、さようなら」
一宮くんはいつものように自分の家の方へと去っていく。
「一宮くん………」
一宮くんはいつもなにを考えてるかわかんないけど、ね?
でも、たまになにか心の中に秘めているような表情をしているときがある。
気のせいなのかもしれないけど……でも。
気のせいじゃなかったとしたら、なにを思っているんだろう。
そんなことを考えながら一宮くんの姿が見えなくなるまで見つめていた。