「さてと………」




私も教室出よう。




私は一宮くんにまた「ノロマ」なんて言われないように、早歩きで階段に向かった。







「………今日はいつもより1分早いですね」




一宮くんはちょうど本を読み始めているところだった。




「でしょ?今日は頑張ったんだ」




「白雪さんにしてはやるじゃないですか」




“白雪さんにしては”って………。
一言多いんだから……っ!





「………っあ!そーだ。来週の金曜日、放課後ここに来れないんだ」




「………え?」




私の言葉に一宮くんの表情が険しいものになる。




「じ、実は用事が出来ちゃって………」




い、一宮くん怒ってる?