―――放課後。




いつものように階段に向かおうとカバンを持つ。



そして教室を後にしようとしたとき。




「なぁ、桃乃ちゃん」




「あ、柴崎くん」




柴崎くんに呼び止められた。




「どうかしたの?」




「いや、あのさ今日は現代文のノートありがとう!助かった!」




「いえいえ」




「そ、それと」




柴崎くんは恥ずかしそうに私から目線をそらす。




「あの……来週の金曜日、なんだけど」



「うん」




「よかったら一緒に……帰らない?」




「………えっ!」




突然の誘いに驚きの声をあげる。