「………柴崎くん、やっぱり裏がなさそうな感じね」
未唯ちゃんが必死に現代文のノートを書く柴崎くんを見て言った。
「柴崎くんに裏があったらビックリだよ!あんなにいい人だもん」
柴崎くんは絶対に裏はない。
てか、そんな計画的に自分を演じられるように見えないもん。
私が言えることじゃないけど、不器用そうだし……。
「で、さっきのはなんだったの?」
「え?さっき?」
な、なんのことだろう?
「一宮だよ。さっきなにか話してたでしょ」
「み、見てたんですか……」
ほんの少ししか話してないし、しかもお互い小声で話してたのに……。
「だって、さっき柴崎くんと3人で話してるとき一宮くんチラチラこっち見てたから、桃乃が現代文のノート取りに行こうとしたとき絶対なんか言うだろうなと思って」
未唯ちゃんの推理力すげぇっす……!!!
思わず拍手しそうになった。
……ってか、一宮くんこっち見てたの!?
全く気が付かなかった……。



