「え?」
「柴崎蒼と話すの」
「うん、まぁね!普通に楽しいよ」
私が答えると、一宮くんは一瞬ページをめくろうとした手を止めて、我に返ったようにまたページをめくった。
「………そうですか」
「じゃ、私戻るね」
私は現代文のノートを手に持って、未唯ちゃんと柴崎くんのところへ戻った。
「はい、これ」
柴崎くんにノートを渡すと、ぱぁっと表情が明るくなった。
「ありがとうっ!今日の現代文の時間までにはちゃんと返すから!」
「うん、現代文5時間目だし急がなくていいよ」
「よし!じゃあ早速写してくる!」
柴崎くんは私からノートを受け取って、自分の席に行った。