「しらゆ……じゃなくて桃乃ちゃん、もう帰る?」
「あ、いや、まだ用事あるから……」
今から一宮くんのところに行かなきゃだ。
「そっか。じゃあ、俺は先に帰るな!」
「うん、また明日ね」
「ばいばーいっ!」
笑顔で手を振ってきた柴崎くんに手を振り返して、私は校舎裏を後にした。
「………すごく、いい人だったなぁ」
階段に向かう途中、ふと、柴崎くんを思い出す。
まさか、柴崎くんは私を好きだったなんて……。
全く想像もしてなかったよ。
未唯ちゃんに報告したら「やっぱりね~!そうだと思った!」って言いそう。
柴崎くんともっと仲良くなれたらいいな。
せっかく私と友達になりたいって言ってくれたんだもん。
その気持ちを大切にしたい。



