―――そして放課後。
「じゃ、桃乃!明日、報告楽しみにしてるからね~!」
未唯ちゃんは楽しそうに教室を出ていく。
そうだ、今から柴崎くんのところへ行かなきゃいけないんだ……。
一宮くんに言ってから行こう。
教室にほとんどいなくなった頃、一宮くんが教室を出ようとしていた。
「い、一宮くんっ」
「………なんですか?」
みんなの前での一宮くんはやっぱり素っ気ない。
「今日も……階段に行くよね?」
「えぇ……まぁ」
「ちょっと先に行くところあるから後でいくね!」
小声でそう言って、私はカバンをもって教室を出た。
柴崎くんを待たせちゃダメだ!
小走りで校舎裏に向かった。



