「行っちゃった………」
柴崎くんは大人しい性格でやんちゃな方ではない。
黒くてさらさらの髪の毛がうらやましい。
身長が男子にしては少し低めで可愛い顔つきだから、女子から「可愛い!」って言われてるのをよく聞く。
密かに人気の男の子だ。
そんな柴崎くんが私になんの用だろう?
「桃乃……さすがだね!!!」
未唯ちゃんは目をキラキラ輝かせて私を見ていた。
「な、なにが?」
「絶対告白じゃん!桃乃、さすがモテるね~」
「そ、そんなまさかっ!柴崎くんはそんなに話したことないし……きっと、違う用だよ」
柴崎くんが私を好きになる理由がないもん。
共通点って言ったら同じクラスってだけだし……。
中学だって同じだったワケじゃない。
「さて、どんな用でしょうね~?楽しみ~!」
「み、未唯ちゃんてば………」
そんな期待してるようなことにはならないと思うけどな~……。