―――それから何日か経った頃。
昼休みに私はいつものように未唯ちゃんと教室でお弁当を食べていた。




「でさー、あのヒロインが超可愛いの!あの女優さんほんと好き~!」




「未唯ちゃん、その女優さんほんと好きだね~」




「だって、可愛いし演技上手いし歌も歌えるんだよ!?最強じゃん!」




未唯ちゃんのテンションは最高潮。
私はそのテンションについていくのに必死になっていたとき。




「あ、あのっ」



背後で誰かの声がして、振り向いた。



すると、そこには同じクラスの柴崎蒼(しばさきあおい)くんが立っていた。



「ん?ど、どうしたの……?」



私は首を傾げる。
未唯ちゃんに用かな?



私、ほとんど話したことないし。



「白雪さん!放課後、校舎裏で待ってます!」




「へ……っ?」



柴崎くんはそう言って、逃げるようにどこかへ行ってしまった。