「じゃ、桃乃。また明日ね!」




「未唯ちゃん、ばいばーい!」




―――ついにきてしまった放課後。
私も帰りたいのは山々だ。



でも、昼休みに教室に戻ってきたら机に置いてあったメモに、




《放課後、絶対に屋上に続く階段にくること。
ご褒美、いらないなんて許しませんからね》




と、綺麗な一宮くんの字で書かれていたから。



“ご褒美”………ご褒美怖いよ!!!
なに、ご褒美って!!?



想像しただけで寒気が………。




でも、行かなくちゃ。




私はカバンを持って、久々にあの階段へ。
最近はテスト勉強で選択教室ばっかりだったもんな……。




「………相変わらず遅いですね」




階段に着くと、一宮くんは前みたいに座って読書をしていた。




なんだかこの光景、懐かしく感じる……。