「こ…殺された……」

 次の瞬間少女の疑惑は確信に変わった。

「ああ、マスコミの話しだと昨日の夜中、寝ている間に首を絞められて……」

 ゾクリっ…。

 吐き気と共に背筋が凍った。

 それは紛れもなく鮮明な記憶として映像が生々しく残っている昨夜の“夢”と一致したからだ。



「な、中条君…あのね……」

「ん? どうした? 心配すんなよ、オレが守ってやるよ!!」

 中条は笑顔で、力強く少女に言葉をかけた。


『ダメ…言えない。話したって信じてもらえないもん……。夢で見たことが現実に起きたなんて…誰にも言えない』

 それは唯一心を開いている中条にであっても同じだった。

 自分と夢の声、二人だけの秘密にしよう。

 少女は固く自身に誓った。
 何よりこの不思議な現象は、少女にとって歓迎するものだった。

 経緯はどうあれ、死活に関わる悩みの元凶が一つ消えてくれたのだから。