銀盤の国のお姫様

 見かけ上は黒のサテンのベアトップ。
 実は肌に見えるところは、肌色の布で、おそらく長袖。
 赤いサテンの布の上に黒のオーガンジーを縫いつけたスカート。
 肘まである長い黒い手袋。

 今日の華音有の衣装というか、今シーズンのショートプログラムの彼女の衣装だ。

 これは、衣装デザイナーである彼女の母親がデザインして、縫い上げた。

 テーマは“仮面の下に隠された真実”。
 プログラムも、このテーマだと華音有本人が言っている。

 仮面の下に隠された真実。

 そういえば、『仮面舞踏会』はもともと劇音楽である。
 話の筋は、賭け師の男が、疑いから男の妻を殺してしまうというお話だ。
 男の妻は、無実であったのにもかかわらず。

 そこから、和歌子コーチが“仮面の下に隠された真実”というテーマを導き、振付けたのだろう。


「六分間練習は終了です。選手の皆さんはリンクからおりてください。」