銀盤の国のお姫様

 華音有の最大のライバル、長谷川小まり(ハセガワコマリ)とは対称的だ。

 今シーズン、二人ともGPシリーズのうちの二大会に出た。
 結果は華音有は四位が最高、小まりは二戦連続準優勝。
 小まりはさらに、GPシリーズでの成績上位六人のみが出れるGPファイナルに出場し、三位となった。

 小まりは華音有と同い年だが、小まりは六月生まれなので、スケートの世界では“一学年上”となる。

 そんな話は置いといて、小まりは華音有のように三回転半や四回転ジャンプは跳ばない。
 ただ、女子では高難度の連続ジャンプの3ルッツ―3ループに、質の高いジャンプ、あとジャンプが逆回転である。
 何よりも元気いっぱいな演技が持ち味の選手だ。さらに、どんな時でもほとんどミスなく滑れるところも大きい。
『小まりスマイル』は彼女の代名詞だ。

 ノービスA頃までは、華音有より右に出る者はいなかったが、だんだん小まりが台頭してきた。
 ここ数年、二人一緒に出場する試合で、華音有が小まりに勝ったのは一回だけ。