それから父親の仕事の都合で神奈川に引っ越したり、所属リンクがなくなる危機があったが、どんどん上達していった。

 小学三年生までには、すべての二回転ジャンプ(※次のページへ)と連続ジャンプを習得し、小学五年生にしてアクセルを含めてすべての三回転ジャンプを習得し、中学二年生で四回転トウループを習得。

 トリプルアクセル(三回転半)と四回転トウループは、女子では超難易度の高いの大技。男子でも難しい技だ。
 四回転トウループに関して言えば、華音有が公式試合で、女子では世界で初めて成功と認められた。
 トリプルアクセルは、これまで女子では何人か公式試合で成功しているが、現役では華音有のみしか成功していない。

 トリプルアクセルが難しい理由。

 一つは、他のジャンプに比べて半回転多いこと。

 他の五種類のジャンプは、後ろ向きで踏み切り、後ろ向きに着氷する。アクセルジャンプは前向きで踏み切り、後ろ向きに着氷する。前向きで着地すると転倒して、怪我するためだ。
 すなわち、アクセルジャンプは他のジャンプより半回転多く回っているということだ。
 たかが半回転というが、その半回転多く生み出すのに苦労するのである。

 これが、三回転半となると・・・もう大変だ。

 また前向きに踏み切るため、恐怖を感じる選手もいる。

 もう一つは、重心移動が他のジャンプに比べて大きいことがあげられる。