姫路華音有は1995年12月24日、沖縄県南中城村(ミナミナカグスクソン)生まれ。

 五歳でスケートを始めた。

 当時住んでいた自宅から車で一時間半ほどのところに、通年営業のスケートリンク場があり、両親に連れられて遊びに来た時に、“スケートの魔力”にはまったのがきっかけ。

『最初は、リンクの周囲のフェンスにつかまりながら滑ってました。
 ちょっと両親が目を離した隙にフェンスから手が離れて、勢い余って滑ったんです。
 そしたら自力で滑れるようになって。それが嬉しくて、嬉しくて。』

 以前彼女にスケートを“スケートを始めたきっかけは?”と聞いた時の答えだ。
 “嬉しくて、嬉しくて”、この言葉には、華音有の普段表に出さない感情が見えたように感じる。
  
 当時“あるきっかけ”によってふさぎ込んでしまった華音有。
 そんな彼女がリンクを滑っている間笑顔になったのを見て、両親がそのリンク場で開かれるスケート教室に参加させた。

 それから、どんどんスケートに夢中になった。
 リンクから離れても、周りになんとも言われようとも、スケートのまねごとをする。
 
 そんな彼女の姿を見て、フィギュアスケートを教えている人が、

『この子には素質がある!』

 と言われたのをきっかけに、競技のフィギュアスケートを始めた。