そんなまさかとは思う。

けれど、否定しきれない私は、先輩の姿を探しているにも関わらず、最悪な形で見つかりませんようにと願いながらフェンスに手をかけた、瞬間。


──ガタン。


「……え?」


金属の音が聞こえて。

グニャリと、私の視界が方向を変えた。

ギギギと軋む音がフェンスのものだと理解した直後──


私の体は


フェンスに寄り添うように


屋上から落下した。