昔々あるところに、歳の離れた兄弟がいた。

2人は同じ腹から産まれた王子で、2人の母は王様の正室だった。

兄は王のお気に入りで、小さい頃からその才覚を現していた。

弟も兄に劣らない天才っ子だった。

この2人は他の兄弟とは離れて育てられた。




彼らは王位継承権を持っていたからだ。




だから、他の兄弟が中庭で鳩を追いかけるのを見ていた。

彼らが街を自由に探検して来るのを見ていた。

いつもいつも変化の無い城の中で、王になるための勉強に追われていた2人には遊んでいる時間がなかった。

それでも2人は両親を喜ばせるため、日夜王族修行に励んだ。

国の未来を思って辛い時間にも耐えた。







それから数年が経ち、兄は立派な後継者に、弟も素晴らしい少年に成長した。






その頃