「なあ、凛。ベンチで応援するか?」
「えっ?」
「俺ら、高坂のおかげでここまで来れたと思ってるんだ。」
「なんで‥?あたしなんもしてないし」
「お前がいるだけで、このチームはいいんだよ。」
と口々に三年の部員の子が言う。
涙が出た。
止めようと思ったけど、無理だった。
「あっ、お前ら高坂泣かせたぞっ!」
と白石。
「俺の凛泣かせんなよなー。」
「蓮が悪い。」
あたしは蓮の頭にチョップをいれる。
「えっ、なんでおれー。」
皆笑ってた。
「ありがたいけど、上で応援するよ。」
「そっか。お前が決めたことならいい、行ってくるな。」
そう言って、あたしの髪の毛をぐしゃぐしゃとして、皆を連れて会場へ入って行った。