「そんな顔すんなって。」



蓮があたしの頭を撫でてくれる。



その後、あたしの髪をくしゃくしゃっとして、



「お前との約束守りたいんだ。」


と少し悲しげにいう。



「えっ?」



「昔約束しただろ?甲子園連れて行く」



「うん。」



「絶対甲子園連れて行くから。もう一つの約束は守れそうにないからな。」



蓮の声がだんだんと小さくなった。




もう一つの約束。




「凛を幸せにする。」


あたしを幸せにすること。