【奈田憂樹side】


「朝、かぁ」


あれ。


何か良い香りを感じた私は足早にリビングへと向かう。



「お母さん帰ってきてたんだ。お疲れ」



「ありがと、後でまた兼原さんのお母さんにお礼言っとかないと…」



言葉で言うと少し嫌そうに感じるけど、



お母さんは兼原先輩のお母さんと大の仲良しでどちらかと言えばわくわくしているように見える。




「あ、憂樹。パンとごはんどっちがいい?」




「んー、パンがいい」



久しぶりのゆっくりできる朝だ。