「あーあ。振られちゃった」 俺って本当に最高に馬鹿野郎だ。 「…いてぇな」 心臓が動くたびに不快な気持ちになる。 痛い。 好き。 嫌だ。 こんな気持ちになんかなりたくなかった。 そんなんだったら、あんな強引に言うんじゃなかった。 「俺のバーカ」 自分で言ってなぜか少し笑ってしまい、 ポッケに手を入れて 少し前のことを思い出した。 ────あんときはこんな痛くなかったっけ。