同じように私も──「奈田さん?」
「新、崎くん…」
「今から帰り?」
あんな話した後だし話しにくいな…
「真言探してるんだけど、知ってる?」
「多分、屋上にいると思うよ」
「そっか。ありがと」
新崎くん、いい人だと思うんだけどなあ。
「あのさ、奈田さん?」
「は、はい」
「真言って良いやつだよね」
「そ、そうだね?」
新崎くんはクスッと笑った。
あ、あのときの笑顔だ。
普段とは少し違う雰囲気になる。
「周りの女子も可愛い子ばっかで本当にむかついちゃうよ」
そう言うと上に上がっていった。
可愛い、女の子…か。
『真言って良いやつだよね』
………早馬くんが言ってくれた言葉、って…
まさか。
「変なこと考えるのはやめよ」
そんな時だった。
「なんか最近早馬真言が気に入ってる女子いるらしいよ?」
「あ~どっかのラブコメでも気取ってんじゃないの、あいつならやりそう」
ふと、その人たちの視界に私が入ったみたいで。

