ヴィーン、という機械音が教室に鳴り響く。



黒板消しクリーナーを使ってるから。


日直はなぜか片方の男子が帰っちゃって、一人で黒板を消している。



「綺麗にならないな~」



ポンポンと肩を叩かれた。



「早馬くん」



「俺も手伝おっと」



「真言最近、ずっと奈田といるよな~」



さすがにギクリとする。



「当たり前じゃん」



え、早馬くん?言われないよね?



「仲良いし」



取り敢えずほっとする。



「は?何この黒板消し。全然使えないじゃんか」



早馬くんはさりげなく────



まるで何事もなかったように、私の手を握る。



こっちを向いて笑いかける早馬くん。



こ、これ大丈夫なの!?



「さっさと終わらせよっか」



「そ、そうだね!?」


「奈田声うわずってる」



だめだ、緊張してしまう…