教室に入ると、ギリギリのところで間に合った。 先生もまだ来ていない。 「おはよ、奈田さん」 「おはよう新崎くん」 後ろから言われて振り向いて返す。 「奈田さん、走ったでしょ?前髪崩れちゃってるよ?」 ありゃりゃ… 鏡を出して直そうとすると、 スッと手が伸びてきて、前髪に触れる。 え… 「よし、直ったよ」 新崎くん!? びっくりして二度聞きすると、「ふふっ」なんて笑った。 「純粋だなあ、奈田さん」